では、股関節の症例で実際のPRP治療を見てみましょう
この方は長年にわたる右股関節痛を経験してきた方です。近隣病院を受診し、変形性股関節症の診断を受け、人工関節手術(THA)を勧められていました。しかしご本人は手術を避けたい希望が強く、当院を受診されました。
右の(レントゲン写真で向かって左)股関節は臼蓋形成不全があり、軟骨はほぼ完全にすり減っていました。跛行も強い歩き方でした。
すり減った股関節軟骨の再生を促したり、軟骨周囲の炎症を抑えたりする目的でPRP治療を行いました。
正確に超音波を見ながらターゲットの股関節に直接PRPを注入しました。
この技術は国内でも数名の医師のみが行える技術です。
当院では漫然と関節腔内にPRPを注入するのではなく、関節内の他、傷んで血流のある軟骨部位や傷んだ靭帯にピンポイントに注入しており、高い効果を出しています。
この方は一回のPRP治療で股関節痛が半分くらいに減少し、半年で5回のPRP注射を行ったところ軟骨の再生もレントゲン上確認できました。跛行は消失し、軽く早歩きできるようになりました。今後人工関節手術が回避できるかもしれません。
このようにPRP治療は従来法の治療でも効果が不十分の方にも治療効果が期待できます。手術と従来の保存治療の中間療法としての再生医療とお考え頂いても良いと思っています。
変形性膝関節症、変形性股関節症、肩痛(腱板断裂、五十肩等)、スポーツ障害の他、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、頚椎神経根症などの神経痛にも幅広く適応があります。是非ご相談ください。
※PRP、幹細胞治療は自分自身の細胞を利用する治療のため、副作用の少ない治療ですが、症状の悪化や感染などが全くゼロとは言い切れません。予め、御了承ください。