「骨粗鬆症」とは骨の量が減り、質も劣化し、骨の強度が低下して骨折を起こしやすくなった状態です。骨粗鬆症になっても痛みはないのが普通です。しかし、ちよっとしたはずみで背骨が骨折したり、転んだときに背骨や手首、太もものつけ根などの骨折が生じやすくなったりします。骨折すると、その部位が痛くなり動けなくなります。背骨が一つ、また一つとつぶれていくと、背中が丸くなったり、腰が曲がったりして、歩きづらくなってきます。
当院では骨折を起こしても出来るだけ手術しないで元の生活に戻れるように保存治療を最大限行います。手関節骨折における整復とギプス固定、脊椎圧迫骨折に対する体幹ギプス固定とコルセット固定、適切な部位を固定した後のリハビリテーションなどです。
特に脊椎圧迫骨折は痛みが強く、レントゲンでもはっきりと映らないケースもあります。臨床症状から脊椎圧迫骨折を疑った場合、私は初診時から取り外し可能な体幹ギプスで患部を固定しています。ほとんどの方はギプスを装着した直後から強い痛みが激減する即効性の高い治療法です。
実際の例を見てみましょう
80代の女性です。布団から起き上がった際に腰に激痛が生じ、ほうほうのていで来院されました。
腰の下部を特に痛がってらっしゃいました。
多発性に圧迫骨折はありますが、今回の原因は第4腰椎の新鮮圧迫骨折で、他は陳旧性骨折と考えました。
即座に体幹ギプスを作成しました。
このようにご自身でも取り外しは可能なように作成します。シャワーや就寝時は外せます。
このようなギプスを4週付けたら引き続いて柔らかいコルセットを8週装着します。
この方は上の体幹ギプスを付けた直後から痛みが和らぎ、以降は骨粗鬆症の薬物治療とリハビリで日常生活を問題なく過ごされています。
当院では骨密度を測定するのに最も正確なDEXA法で検査が行えます。
治療の方はもちろん、骨粗鬆症が心配な方の検査でもご利用頂けます。