当院では指の痛みが強く、ご希望のある場合初診時からでも超音波ガイド下に腱鞘内注射をして即効性のある除痛治療を行うことが出来ます。また引っかかりがメインの症状で他院で手術を勧められている方には超音波ガイド下に経皮的腱鞘切開(エコーを見ながら針で肥厚した腱鞘を切っていく手技)を行うことも出来ます。
指は腱によって曲げ伸ばしをすることが出来ます。屈筋腱には、腱の浮き上がりを押さえる腱鞘というトンネルがあります。屈筋腱と腱鞘の間で炎症が起こると、指の付け根に痛み、腫れ、熱感が生じます。これを腱鞘炎と呼び、進行するとばね現象が生じます。これがばね指です。
では実際の症例を見てみましょう
この方は一ヶ月前から家事をする際に手の痛みを感じていました。徐々に手を握って伸ばす際に薬指が痛みを伴いカクカク引っかかる感じになってきたため来院されました。
ちょうど黒く印をつけたあたりが一番痛みます腱鞘の直上の部位です。
この方は痛みが強く、即効性の高い治療をご希望でしたので、初診時から腱鞘内注射をすることにしました。
エコー画像です。
屈筋腱の上に黒くやや肥厚した腱鞘が見えます。
指を曲げ伸ばしするとこの部位に腱が引っかかる様子も確認できました。
ばね指の診断で間違いないようです。
薬指の場合このように少し指を伸ばした状態でエコーを見ながら注射します。
針はとても細いものを使用しますので強い痛みはありません。
正確に針先が腱鞘の近くまできました。
黒い部分は注入した液体です。
十分腱鞘の周囲に注入できたことが確認できました。
また別の方です。この方は指の痛みよりも引っ掛かりが主症状でした。
そこで超音波ガイド下経皮腱鞘切開をすることにしました。
針で肥厚した腱鞘を切っています。
すっかりグーパーできるようになりました。