当院では漫然とした治療ではなく、痛みの原因となっている部位を細かく特定した上で、超音波ガイド下に最も効果が高いと考えられる注射が行えます。一口に変形性関節症といっても個人個人で痛みの部位は微妙に異なる為、非常に効果の高い注射法です。また圧痛点ストレッチなどの最新論文に基づいたリハビリなどの他、再生医療による最先端医療(軟骨再生医療)も行っています。
最近の研究により軟骨磨耗がきっかけになって加齢による「筋、靭帯、関節胞などの膝周囲の組織の柔軟性の低下」と「痛覚神経の閾値の低下」「関節内外の炎症」が膝痛の主因であることがわかってきました。また膝の炎症が長期化すると、本来存在しないはずの感覚神経が軟骨下骨(軟骨のすぐ下の骨)に入り込んでくることもわかってきており、さまざまな要因で膝痛が引き起こされていることが理解されてきています。
当院では超音波ガイド下に直接傷んだ膝軟骨にヒアルロン酸やステロイドなどの注射を行っています。正確に傷んだ軟骨にアプローチできる治療が可能な施設はごく限られています。それでもつらい症状が緩和できない場合、軟骨再生や関節炎抑制効果を期待できる膝関節PRP注射(自己血由来多血小板注射法)をお勧めすることもあります。人工関節手術が避けられる可能性がある治療法であるからです。
> 詳細はこちら(PRPの実際の例:膝関節)
実際の症例です
膝の内側の軟骨がすり減り、内側半月板直上周囲に痛みがあります。
階段の上り下りで強い痛みがあります。この方の場合、痛みの原因は内側半月板から関節包に至る部位の滑膜、関節包と判断しました。
正確にエコーで見て、痛みの原因と思われるところをピンポイントに特定し、ヒアルロン酸注射しました。
直後から痛みは軽快し、温熱ストレッチや筋力訓練で調子のよい状態が維持できています。
このような対処を行ってもつらい痛みが取れない場合、まずはPRP療法をお勧めします。この治療で痛みが半分以下になる可能性は60-70%程度あります。
血液を少量採取して遠心分離機にかけ、血小板をたくさん含んだ血漿(組織を治癒させる物質をたくさん含んだ部分)を傷んだ膝に注射で戻してあげる治療です。
それでも痛みが強く残ってしまう場合は最終手段としてTKA(全膝関節人工関節置換術)を考えてみても良いでしょう。日赤病院などを紹介させて頂きます。