では、スポーツ障害の症例で実際のPRP治療を見てみましょう
この方は野球でピッチャーをされている方です。ボールを投げる際振りかぶったときやボールリリースをしたときに右肩に痛みが出ています。様々な病院を受診し、関節唇損傷と関節包側腱板損傷の診断を受け、長期のリハビリをしてきましたが効果がなかったようです。最近はスポーツ専門病院で手術を勧められていました。しかしご本人は手術を避けたい希望が強く、当院を受診されました。
Modified crank test陽性(肩を挙上して上腕を前に押しながら内外旋するテスト)でSLAP lesion(関節唇損傷)を疑わせる所見でした。MRIでも後方関節唇に亀裂を認めました。
関節唇軟骨や腱板の再生を促したり、軟骨周囲や腱板、関節包の炎症を抑えたりする目的でPRP治療を行いました。
正確に超音波を見ながらターゲットの関節唇や関節包に直接PRPを注入しました。
この技術は国内でも数名の医師のみが行える技術です。
この方は一回のPRP治療で肩痛が大幅に減少しました。二回のPRPにて、投球時の痛みが消失するまで改善しました。
このようにPRP治療は従来法の治療でも効果が不十分の方にも治療効果が期待できます。手術と従来の保存治療の中間療法としての再生医療とお考え頂いても良いと思っています。
変形性膝関節症、変形性股関節症、肩痛(腱板断裂、五十肩等)、スポーツ障害の他、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、頚椎神経根症などの神経痛にも幅広く適応があります。是非ご相談ください。
※PRP、幹細胞治療は自分自身の細胞を利用する治療のため、副作用の少ない治療ですが、症状の悪化や感染などが全くゼロとは言い切れません。予め、御了承ください。