当院では除痛については即効性の高い治療を目指しています。また治療効果を落とさずにできるだけ治療費を安く抑える努力を行います。
従来型のリウマチ薬を複数使用する方法(三剤併用療法)により生物製剤の使用量を極力減らす努力予後不良因子があって生物製剤の使用が避けられない場合、極力複数月処方として高額医療費制度を利用しやすくする、等です
実際の症例を見てみましょう
50代女性です。約1週間前より両手、両手関節に強い痛みと腫脹が起きた方です。 CRP5台と高値です。視診しただけでも両手の腫脹が明らかです。圧痛部位も両MP関節と 両手関節で10ケ所以上です。
関節をエコーで見てみるとかなり滑膜肥厚と血流の増加が見られ、強い炎症所見が認められました。 一部に骨びらんもあったので初診時から生物製剤の導入を視野に入れて検査を進め、十分量のMTXを 早めに導入しました。
2週後にはかなり腫脹は取れ、痛みもかなり軽快しました。
エコーで見ても血流は治まってきており、炎症も抑えられました。
結局CRPを正常値に維持するためには生物製剤の導入は避けられませんでしたが、十分量のMTXを投与できていたため、通常量の4分の1の量(エンブレル25mgを隔週)で済み、医療費を抑えられながらしっかりとリウマチのコントロールが得られています。
次の方は60代女性です。手関節発症のRAで痛みが強かったため、早期に関節内に超音波ガイド下にステロイド注射をして早い除痛を図りました。
エコーで見ても炎症所見は強いです。
注射をした直後から強い痛みは軽減しました。
この方も一部骨びらんが認められましたが、MTXとブシラミン、サラゾピリンの併用療法だけでしっかりコントロールできています。高額の生物製剤を使用せずに痛みなく良い状態を保てています。
エコーで見てもすっかり関節の炎症は治まっていることがわかります。
痛みのある関節が2-3ヶ所であれば関節注射を時々行うことでMTXの内服量を抑えられたり生物製剤の量を少なくできたりするメリットがあります。